2024/03/01
生きているお米?死んでいるお米?
発芽玄米についてご紹介していると、「機械で高温乾燥したお米は死んでしまい発芽しないと聞きましたが、お宅のお米は天日乾燥ですか?発芽しますか?」と、たまに聞かれます。
質問への答え(黒瀬農舎のお米)は、「機械乾燥ですがあまり温度を上げてないので発芽します」です。
質問への答えとはそれで終わりですが、少しだけ補足します。
機械乾燥だから発芽しない→ウソ!
機械乾燥で高温乾燥をすると確かに発芽しなくなってしまいます。
ただ、乾燥が原因で発芽しないほどに高温乾燥するとお米の味がとても落ちます。
従って、今のお米は味を落とさないように、発芽しないほどの高温乾燥はしていません。
(機械乾燥が始まった当初は効率を上げるため高温で一気に乾燥していた時代もありました)
また、「遠赤外線を使った乾燥機だとお米の中心部まで高温になりやすく発芽しない」と言う話もありましたが、こちらも(機械の使い方次第ですが)現在は標準的な使い方をしている限り発芽しなくなるほど中まで高温になるような設定にはなっていないようです。
「発芽しますか?」と言う確認をしていただくのは問題ないのですが、機械乾燥だとすべてが高温乾燥で発芽しないわけではないことはご理解下さい。
余談:天日干しだから美味しい→条件によります
天日干しは、雨が降らず乾燥できる気象条件が整えば美味しいお米になります。
参考:米の天日干し及び熱風式機械乾燥の乾燥手法の差異が品質に及ぼす影響(日本調理科学会誌 40(5), 347-351, 2007-10-20)
ただ、天候が悪く雨にぬれて乾湿を繰り返した場合は、機械乾燥したお米よりも味を落としてしまう可能性があります。
また、乾燥中に水分にムラができないように、稲を積み替える(架け替える)作業などの管理作業をしっかりしないと同様に味を落としてしまいます。
従って、ベストなのは天候に恵まれ管理もしっかりした天日干しのお米でしょうが、天候などのリスクも考えると、機械乾燥の方が安定して品質の良いお米ができると思います。